脳内小説具現館

一応、小説サイトです・・・もし読んでもらえたら・・・気に入った作品に・・・感想を・・・おねがいします!!

 2000-06-03 Sat  00:00   [短編]

こんにちは!お父さん探して三千里っじゃなくて迷子な自分ですー。
お母さんとの別れを経て都会に進出しましたが!ここで大ピンチ!
チャラ兄さんと言う方に騙されて自分は身売りの危機にー!?
しかしながら自分は不良さんに助けていただき!これからどうすれば良いか悩みながらもお話ついでに同行させてもらっています!
・・・・ふぅぅ。
九死に一生を得ましたが、今からどうすれば・・・。でもよく助かったなぁ。普通ならあのままゲームオーバーだと思いますね、きっと。

はぁ・・・、早くお父さんに会いたいなぁ。




























「ふっ不良さーん!」
「不良言うなぁぁぁ!」
人気が皆無の路地裏で、不良さんの後を歩きます。何度も繰り返す会話ですが、やっぱり不良さんが一番しっくりくるんですもの。


「まぁまぁ、そう怒らずに!それよりどうして自分等を助けてくれたのですか?」
最大の疑惑。こんなに怒りっぽい人が自分みたいな田舎者を助けて回ってるなんて失礼だけど考えられないです。


「・・・さっき言っただろ。俺様はああいう輩が嫌いなんだ。軽い男の方はよく判らなかったがデブは楽しんであの仕事やってたぞ」
「ふむぅ。どうしてわかるのですか?」
「目を見りゃすぐだ。汚れた人間は濁ってる。
まぁ・・・よく見てるから判断できるんだよ」
「なるほど・・・。そういえば不良さん!」
「不良って―――」
「父さんの居場所が不明です!またフリダシに逆戻りですよ!」
「いちいち叫ばなくても聞こえる!」
「ならなら、どうしましょう・・・」
「なんと言うか。ワケアリみたいだな」
困りました。このままでは迷子になって不幸の子供になってしまいます・・・。


「そんなに親父に会いてぇのか?」
「もちろん!」
「なんでだよ?都会に渡って着て、危ない目に遭ってもヘラヘラしながら行動を変えないんだ」
「単純な質問がしたいんです。自分の中ではとても大切な・・・」
自分と不良さんで騒がしかったねずみ一色の薄暗い道もシーンとなります。だけど目の前の人は恥ずかしそうな素振りですぐに口を開きました。


「・・・わーったよ。俺様が連れて行ってやる」
「え・・・?」
「偶然ながら俺様は家出中だ。その間の暇つぶし位でよければな」
「ほんとですか!?」
ガバッと不良さんの手を掴みます。ゴツゴツしてて男らしい手です。


「ほんっっっっっと絶望だったのですよ!このままマッチを売り歩いて最後には雪の中息絶えてしまうんじゃないかって!」
「顔が近い!!そんな小動物みたいな目で見るな!おまけに悲劇の子供みたいに言ってるがっ!都会じゃそうなる前に保護されるからよ!」
「そんなことより助かりました!」
「人の話聞いてるのか?!」
リーゼントを揺らしながら叫ぶ不良さん。声おっきいなぁ。


「・・・ったく」
頭を抑えながら血圧を下げようとしています。短気だから怒りっぽいんだ、きっと。


「あ、父さんの場所は―――」
「ちょい待て。俺様は地理が苦手だ」
「えー!?それじゃあ不良さんも迷子なのですか!?」
「迷子じゃない!不良でもない!」
「でも方向音痴さんでも父さんの場所へはたどり着けません!」
「方向音痴でもない!!」
改めてすぐに怒鳴る人だってわかりました。コンクリート製の周囲に声が反響して、ご近所迷惑です。


「俺様の知り合いで、家出中バイトくれる所があるからよ。そこの親方についでに聞いてやるから大人しくしてろ」
「っぉお!さすが不良さん!」
やった!それなら安心だー!
たぶん、この人なら自分を騙したりしないと思うから。漢気?なんてオーラがムンムンしてるから嘘はしないと思います。


「不良・・・いやまぁ・・・それよりてめぇの事情ってのを話せるなら聞かせろよ」
「あ、お世話になるのならそれくらい―――」







「―――へぇ。まだチビっこいのに大変だな」
「はい・・・結構疲れますが、自分で決めたことなので」
つい笑ってしまいます。都会で早速予想外の事態を体験しましたが、後悔はまだしてませんしね。


「要約すりゃ。てめぇは親父に会ってみてぇんだろ?」
「そうですそうですっ。後はいくつか質問を!」
父さんに聞きたい事はたくさんありますが、絞れば質問は三つだけ。


「それにしても面白いですね、都会は」
「ぁ?」
「歩いても歩いてもいろんな道が見えてきます。曲がって、進んで、また曲がってもまだまだたくさんの道で溢れています。」
田舎の方だと、どこに行っても見晴らし抜群な分、こういった迷路状の道がとても新鮮で愉快なんです。
次の分かれ道はどちらに進むのだろう。その先には何があるのだろう。
自分の足でお父さんに向かって進んでいると感じるたびに、なんだか嬉しくなります。


「そんなこた考えた事もなかったな・・・」
「きっと毎日充実していたんですよ!」
「どうかねぇ・・・」
不良さんはどうしていつも怒っているのでしょうか。いや、それより気になる問題があります。


「それよりどうして家出なぞしているのですか?」
「ぁ?くだらない事を聞く奴だな・・・」
「でも恩人の身上はとても気になりますよ」
「恩人ね・・・お前にとっちゃ不快な話かもしれないがよ」
「はい・・・?」
長かった路地裏道から、少し開けた場所が見えてくるのと同時に言いました。


「俺は親父が大嫌いだから家出した」
そう言って先に足を進め、行ってしまいした。







「よく来たな子供!俺の呼び名は店長でいいからな!」
「は、は、は、はひー!」
「あらあら」
片翼は自分の身長の1,5倍はありそうな長身、ガッシリしてバットで殴っても揺らぐ気配の無い体格。そして奥さんは眼を細めて自分と店長さんを見ています。
そんな私は、ボディービルダーさん並の逞しき筋肉に、可愛い猫のエプロンを身に着けた店長さんに今まで体験した覚えの無い激しい握手を行い、半分振り回されています。


「オラ!坊主も早く着替えてこーい!」
「わかりましたー!」
握手をやめ、店長さんのお腹に響く大音量の声が届き、お店の奥から不良さんの声が聞こえます。
自分の眼科に広がる物は―――程よく冬の太陽光が当たり、ピカピカ輝いている位の錯覚を覚える緑や濃緑に薄緑、稀に赤色等も見える新鮮なお野菜さん達です。


「素敵なお店ですね!」
「おう!ここはこの町最高の八百屋よぉ!」
よく見かける一軒家とあまり変わらない面積で、売り場となる巨大な玄関的な場所以外はほぼ普通の民家です。2階には洗濯物も干してあり、生活観も感じさせて自分は良い雰囲気のお店だと思います。
店内の両サイドに置かれた大きな箱に、プラスチック製の区切りをたくさん置いて、野菜さんを区別しているようです。
トマト等は硬いお野菜と同じ場所に置くと割れてしまいますし、お客様にも見やすく、最良のシステムだと自分は思います。


「店長、着替え終わりました」
「オウっ、シンドイから覚悟しとけよ?」
ニタァっと厭らしさを感じない笑みを浮かべます。同時に店の奥の部屋から不良さんがでてきました。


「わぁ・・・。男らしいですね!」
「ふん」
深緑一色の作業ツナギ、少しサイズが小さいのか不良さんの肉体をクッキリと映し出します。店長さんち比べると全体的に一回り小さい対比です。


「アナタはエプロンだけでいいかしら?」
「え!?自分のもあるのですか!」
優しさが音質に込められている奥さんにエプロンを差し出されます。店長さんとお揃いの猫エプロン、しかし元祖はアクビしている猫さんですが、自分に支給されたものはクシャミをしています。
・・・可愛いな・・・。


「あ、ありがとうございます!」
「いえいえ。似合っているわよ」
口元に手を当てて、朗らかにに微笑みました。上品な人だなぁ・・・。


「見てください不良さん!どうでしょうかー?」
猫さんエプロンを身に纏い、ツナギと同色の帽子を被っている不良さんの前にサッと立ちました。


「男女を別にしても無駄に似合うな・・・。店長とは大違―――」
「なにか言ったか坊主・・・?」
「「!?」」
二人同時に肩をビクリと揺らし、プロレスラーさんでも一瞬で薙ぎ倒すのが可能そうな店長さんの闘気に怯えます!


「い、いや何でも無いです!ハハハ!」
「そっそうですよ!何もないんですよ!エヘヘ!」
店前を覆っていた闘気が少しずつ拡散していくのがわかります。不良さんの誤魔化し笑いはなんだかおもしろいなぁ。


「そんなことより仕事場に行くぞ!今日はお前が来るって聞いたから多めに仕事をとっているんだ。」
「は、はい!」
帽子を深く被りなおしながら頷いています。どんな仕事をするのでしょうか?

「あの子とあの人は知り合いの畑まで野菜を買い取りに行くのよ。道が狭いから車が使えないから大変みたいだわ」
「あっ。ご説明ありがとうございます!自分は何をするのでしょうか?」
懇切丁寧に教えてくれる奥さん。ふいとお母さんを思い出します。会って間もないけれど、この人達は不良さんみたいに信用しても大丈夫だと直感が告げます。


「アナタには接客をしてもらうわ。私は多めに晩御飯と保管中の野菜の面倒を見ておくから」
「せっきゃく・・・?」













「ねぇ旅人さん」
「ん?なんだい?」
旅人は少し疲れた首を回しながら返事をしました。


「人ってなんだと思いますか?」
「難しい質問だなぁ・・・」
旅人は本を自分が座っていた場所に置き、立ち上がりながら言います。


「僕はいろんな人を見てきたし、良い所も悪いのも見てきた。けど結局は[これだ!]って答えはないかな」
「なるほど・・・。いろんな人生録や普通の本を見てきたけれど、人間って生き物がわからないです。
都合の良い時は仲良くして、悪くなればあっさりと友達を裏切って。でも明らかに自分が損をする選択肢でも躊躇わずに選ぶ人もいる」
少女は横にある、先程読んでいた本を撫でながら言いました。


「・・・どう考えても合理的じゃありません」
旅人は周囲に散らばめた木片を1つ拾い、火力の弱まった焚き木に投げつけました。


「ハハ。たしかにそうだね」
先程まで座っていた場所に戻り、地面を見ながら続けます。


「人間ってのは選択の生き物だと思うんだ」
「ずいぶん論理的ですね」
「自分でも似合わないとは思うけどね。」
「良かったらどういう考えか教えてください」
だらしなく垂れている眼鏡を掛けなおし、下を向いている語り手に視線を向けます。

「何万もある見方の一つかもしれないけど」
「はい」
「例えばA、B、Cの道があるとしよう。人間はそれぞれ行きたい方に進んでいく。ここで三種類に分かれる」
「そうですね」
「さらにその先の道が分かれているとすれば、Aの先にはD、E、Fの道。Bの先はG、H、Iの道があって、CにはJ、K、Lの道だ」
「ややこしいですね」
「自分で言って混乱してきたかもしれない」
ニコっと旅人は笑って、上にある空を見ながら述べます。


「たった2回の選択だけでも、9種類の人間が生まれる。そして人生は選択の連続だ。だから同じ人間なんていないし、個性ってものが出るのも必然なんじゃないかな?」
旅人が見る空は、ほとんど背の高い木に遮られて何も見えません。それでも葉の隙間から見える星光は健やかに見えるのでした。


「参考になりました」
「どういたしまして」
ニコリと笑いながら切り株に座り、続きを開きます。
少女は眼鏡一度外して浅く深呼吸し、掛けなおしました。









「キュウリ2個ね!」
「こっちはトマトと玉ねぎ3個ずつよ!」
「あ!ナスひとつ追加お願いしまーす」
「はひぃぃぃ!」
とても和やかで静かだった店内とは真逆に、注文の声と主婦の皆様の声が混ざり合い、聞き取るのがとても困難だったりするんです。
入り口は広く作っていますが元は普通の民家。満員御礼のお客様の数と熱気は自分を混乱させるのに十分な力を秘めています。


「奥さんんんんんんンンンンンンン!救援を申請しまぁぁぁぁぁすぅぅぅ!」
大声で助け舟を呼びますが


「こっちも手一杯なのでがんばってねー♪」
「そぉぉぉぉんんんなぁああぁああ!」
即刻孤立無援宣言をいただきました。奥さんそんなあっさり・・・泣きたい・・・。


「キュウリまだですかー!?」
「トマトはぁー!?」
「勘定ここに置いとくねー」
「ただいまぁすぐにぃぃ!」
お客様の声に応えるべく、賑やかな店内を、従業員用の通り道を使ってちょこちょこ走り回ります。が、新しい注文のスピードと同速なので仕事は減りません減りませ・・・ん・・・。


「今しばしお待ちをぉおおお!」








「今帰ったぞぅ」
「・・・ただいまっすー」
両肩にダンボールを担ぎ、お二人が帰ってきました。本業の店長さんはともかく、その補佐はだいぶ体力が尽きている様子です・・・半ば息が切れながらもふらつくこと無く荷物を持っているのは流石ですね。
けれど収穫を手伝ったのか服に土等がいっぱいついています。

「あら、おかえりなさい」
「おかふぇりふぁさぁぃぃ」
お迎えの言葉を語りますが明らかに日本語を使ってない人がいますね。い、いえ!ふざけてなんかいないんですけど・・・仕事が・・・仕事がぁ大変で・・・!不良さん!そんな哀れみの眼を向けないでくださーい!?



「今日は全商品大安売りだから、在庫も含めてほとんど空になりましたよ」
笑顔で営業結果を伝える奥さん。それに頷いてダンボールを店内奥の貯蔵庫に向かっています。ちなみに畳の部屋を越えた奥にあります、左奥が店長さんと不良さんが目指す場所で、もう一つの道の先にはキッチンと大型テーブルを備えた地点があります。


「ほらほらっ。次はご飯だから立ちなさいな」
「え!?お食事までお世話してくれるのですか?!」
「それくらいは面倒見るから安心しなさいな」
目を細めて笑ってくれる奥さま・・・自分は今もーれつに感動しております!


「いいのよいいのよ、それじゃあ料理を手伝ってくれるかしら?」
「あ・・・・え?」
自分は笑顔のまま固まりました。


「ご、ご飯は作ったことはなくて!あの!」
「それじゃあいい経験だわ、ついてきなさ〜い」
楽しそうです・・・そ、それでも店長さんも不良さんもお食べになるのに・・・・!?


「あわわわ!」
容赦なく腕を掴んでキッチンまで連行されます・・・。や、やるしかないのでしょうか・・・!? お母さん、自分に力をぉ!











「ほら、ちゃんと切れてないわよ?
お湯が沸けたわ、ガスコンロの使い方は教えたから大丈夫ね?」
「は、はいー!」
奥さんスパルタ・・・手伝わないのは一人だったらすぐに終わるからなんだろうなぁ。役立たずにならないようにがんばらなければ・・・!


「これをこうやって・・・」
初めて触る調理器具、お母さんは危ないからって使わせてもらえなかった包丁もすっかり右手に馴染んできました。
火の弱めるなんてのも初体験で、思っていたより硬いお野菜さん達を真っ二つにしたり。


「ちょっと楽しいかも・・・」
「新しいことに挑戦するのはいいことよ、人生のどこかでそれが必ず約に立つんだからね」
「は、はい!」
切った野菜をお鍋の中に入れ、奥さんに言われたものも次々と投入していきます。
あわっ、お湯が跳ね返って熱い・・・。


「よくできました、それじゃぁ次は−−−」











「はいはいお待たせしましたー♪」
「待ってましたぁぁ!」
「ッォオ!カレーじゃないっすか!」
とても楽しそうな奥さんにお腹を減らした不良さん達、なんだか恥ずかしいです・・・。


「ほーら、隠れてないで堂々としなきゃ」
「あ、そんな!」
こっそり背後に隠れていたのに押し出され、全員の視線を一身に受けてしまいます。 ・・・そんなぁ。


「ああああの―――」
「「「・・・」」」
言わなきゃ言わなきゃ!このカレーは・・・自分・・・で・・・つく・・・


「これは・・・自分が・・・が、が・・・ガハハハハハ!」
「はぁ!?」
椅子から立ち上がり、即座に不良さんが反応。は、早いですよ。


「だ、だって!死刑勧告出すようなものじゃないですか!?」
「なんで飯時にんなもん貰うんだよ!」
「素人を舐めてると痛い目に遭うのが大自然の掟じゃないですか!」
「ここは都会だ!!」

「元気ねぇ・・・」
「若いってのは財産だな、このカレーはあの子が?」
「ええ、張り切って作っていましたわよ」
「おいしいじゃないか、馴れていたのか」
「いいえ今日が初めてですって、味見のときに驚いたわ」
「それなら今度は俺が作ろうか?」
「・・・遠慮しておきます」


こ、こうして凄く賑やかな晩御飯タイムは終わり、お店のお片づけとお皿洗いに勤しみました。洗い物は慣れているのでサクサク進み、お店も細かいゴミをとるだけで、ほぼ完売状態なので他にやることはありませんでした。


「それじゃあお風呂に行ってきなさい」
「お、お風呂ま(以下略)」
自分の反応は単純なのかなぁ・・・、全部わかったような顔してたな、奥さん。
お風呂に向かいながらそんな事を考えます。それにしても毎日新聞配達や夕刊やら内職やっていますが、こんなに疲れたのは久しぶりです・・・、ゆっくり浸からせてもらいましょう。
どんな湯船なのかな。


「―――マジですか」
慣れない現代語を使い、精一杯今の心情を表そうとします。これほどの驚きは生まれてから数えるほどしかないはずです。
だって・・・だって・・・


「ドラム缶だなんて・・・!」
片膝をつく自分が居る場所は、一見普通のお風呂場、適度に広いスペースがあり、小さな窓もあります。鉛色に渋く輝く湯船の下方には無理やり壁を粉砕したかのような穴があり、そこから炭カスが見えます。


「おまけにお湯の量が少ないです・・・」
たぶん前に入った店長さんとおぼしき方が、とても豪快な入浴をしたのでしょう。まともに入るには少なすぎる水分しかありません。
缶の真横にあるホースで水増しすればいいのですが・・・。
絶対にお湯は出てこなさそうだから水風呂になってしまいます。


「こ、こうなれば・・・!」









「で、俺様か?」
「すみません〜・・・」
壁越しに謝っていますが、いいお湯です・・・。加熱部からは少し距離をおきつつ浸かっていれば熱すぎずに普通のお風呂と同じようなものに感じてきます。
液体温度が人間には合わない温度でしたので不良さんに外で火を点けてもらっています。怒ってるかな・・・。いやっ、次に入るんだし問題無いはず!


「ったく・・・俺は朝風呂派だから入らねぇのに」
「え゙」
体が硬直します。


「それよりお前って結構あつかましいよな」
「そ、そんなことは―――」
「普通は湯沸しにフーッ、今日会ったばかりの奴をハーッ、使わないぞ」
竹筒を吹きながら痛いところを言ってくれる不良さ・・・ん。


「すみません・・・」
考えて見れば
初対面の人についていってバイト先にお世話になりつつ竹筒吹かせるのはかなり失礼に当たるのでは・・・。


「まぁなんだかんだ言って実行する俺様も俺様だ。次からはもう少し行動力控えておけよ」
あぁ・・・やっぱりこの人は優しいんだ。だから自分の無茶苦茶な常識に合わせてくれていたですね。
明日からは自分が足並みを揃えてみよう。


「不良さん・・・」
「ん?」
「いいお湯ですっ」
「こいつは・・・」
明るく喋る自分にため息をつく不良さん。なんとなくですけど、少し笑ってるような気がしました。









「いいお湯でしたぁ〜」
「それは良かったわね、体が綺麗になると気分も清々しくなれるのが健康の証拠よ」
短い髪に水滴が残りながらも寝床に案内してもらっています。家の一番奥にある貯蔵庫のすぐ横に階段があったので少し驚きました。普通はもっと手前にあるものだと思うんだけどなぁ。
そんな疑問を口に出さないまま一段上るたびに不吉な音を奏でながらも2階に辿り着きました。 構造は至ってシンプルで、前方と右手に襖があって自分はその右手で寝てねと言われました。部屋に入る直前に


「あの、今日はありがとうございました・・・」
何度も喋ろうとしたけれど、忙しさや恥ずかしさに負けて今まで先送りにしていました。それでも今日中に伝えることができて良かった。


「何言ってるのよ」
「ほへ」
想定外のお言葉にまぬけな声を出してしまいます。おかしなこと言ったかな・・・、それとも今更って呆れられたのでしょうか・・・!?


「人手が足りないのを手伝ってもらって、食事の手伝いもしてくれたのに」
「あ・・・」
それでも食事は手伝うと言うより教えてもらったような


「いいのよ、教えるのは結構楽しいのよ?」
「奥さん・・・」
涙腺が緩んできます。都会にやって来てすぐさま騙されたりしましたが、今はこんなに優しさに触れることができます。
嬉しいです。


「だから、今日はありがとうね」
ちょっとでも誰かの役に立てたんだ・・・。お荷物になってばかりだと思っていました。


「ありがとう・・・ございます」
「明日もよろしくね」
細い眼を見えないくらいにし、微笑む奥さん。こちらこそ・・・!


「あ、そういえばこれ」
手をとって赤い物体を渡されます。なんだか先が丸い針の様な物体がたくさんついています。


「ただの櫛よ、私のお古なんだけど、女の子なんだから髪の毛くらい整えないとね」
「あ!櫛ですか・・・って奥さん自分は―――」
「それじゃ、おやすみなさいー」
迅速な動きで1階に降りてしまいました・・・。










「ふぅ・・・」
普段は空き部屋なのか、3畳半くらいの部屋は布団以外なにも置かれていません。電球は紐で引くタイプのもので、必要最低限の部屋と言えましょう。急に来たので、不良さんはともかく自分の場所まで綺麗にするのはできなかったようです。 でもこの位の方が落ち着くんですけどね。それにベランダにもでられるようで、自分的には気に入りました。


「それじゃぁ寝ようかな」
布団に入り込み、瞼を閉じて夢の世界に―――


「また起きてるかい!?」
「へ!?」
起こされました。


「すまんなぁ。今日の日給渡すのを忘れてしまってなー!」
「ここまでお世話になっていますし、いらないですよ」
ご飯代とかお風呂代とか掛かっていると思いますし。なんて考えてる間に店長さんはエプロンから封筒を出して


「住み込みのバイトみたいなもんだ。遠慮はいらん!」
「あ、ありがとうです」
無理やり渡してくれました。い、勢いに負けた・・・。


「と言っても時給換算だと安めなんだがな。まぁ見てくれ」
「あ、はいです」
封筒のノリを丁寧に外して中からお札の枚数を見ます。


「えっと1枚2枚3枚・・・4ま・・・・い5ま・・・・・・・・」
更に小銭まで・・・眩しくてこれ以上は見れません。


「店長さん!」
「どうしたんだ?やっぱり少なかったか―――」
「それは自分は大変ですが!それとこれは別にして!お金を恵んでもらうのは絶対だめです!!」
「なにを―――」
「皆様がお優しいのは理解できています!しかしそんな人達のお財布から情けによりこんなに頂くわけにはいきません!!」
田舎での何日分のバイト料だろう。フルで働いてもいないのに・・・! お金は情に甘えて貰うわけにはいきません!


「あーっと。何か勘違いしているようだが。これは他と比べると安いくらいの給金だぞ?」
「またまたそんな嘘を・・・!!」
「本当だって」
「・・・・え」
そんなだって・・・・え・・・ありゃ・・・。


「都会のバイト料は多分そっちよりずっと高いぞ。何度も言うがここは安いくらいだ」
「・・・・」
「まぁ労働の正当な代価だ。負い目を感じることは何も―――」
「えーーーーーー!?!?」
そんな!?一週間ほど雇ってもらおうと考えていましたが、これなら明日一日働けばお父さんに会いに行くのに十分な金額になります!
そんな・・・!都会ってすごい・・・!!


「眼が銭に・・・苦労してたんだな・・・」
「っは!壮絶な手間をかけさせてすみません!」
「気にするな、こっちも給金が少ないから人手が足りなかったからちょうど良かったよ」
豪快さと爽やかさをブレンドした男らしい笑みを浮かべる店長さん。体格も巨大だけど、器もアトミックな人なんですね。


「そーだそーだ、これをやろう」
なんだか聞き覚えがあるような・・・。
不良さんよりもゴツゴツとした、自分の2倍くらいの質量の手から黒く鈍い光を持つものを渡されました。
これは・・・鉄アレイ。ずしりと腕が下に落ちます。


「男なんだから鍛えるんだぞ!」
「あ、あの店長さん自分は―――」
「じゃーなー」
どこかと同じ光景を彷彿してくれた店長さんは、次の瞬間には部屋からいなくなっていました。この家の夫婦には加速装置でもついでいるのでしょうか・・・。










「どうしようかな、これ・・・」
二つのプレゼントを見比べます。しかし片方は自分にはいらないのですが・・・。


「まぁ寝ますか」
細かいことは考えずに改めて布団にもぐりこみます。いろいろあって少し重い体を横にして、ふかふかとした感触を心地よく味わいながらベランダに眼を向けます。
ビルみたいなものが建っていますがギリギリ空を見ることはできるようです。 雲一つないのですが、星はあまり見えません。光の強いのが2,3個見えますが・・・人工衛星かもしれません。
ここは田舎とは違うのだと実感させられます。


「お母さ・・・ん」
自分は今とても優しい人達のおかげで今日を過ごせました。また苦労するかもしれませんが、なんとなく大丈夫な気がするんです。


「さて、明日に備えて」
ゆっくりと睡魔に身を任せます。
明日は何があるかな。
・・・早くお父さんに会えるといいな。
だけど今日のところは

「おやすみなさい」 なんとか書けた・・・。更新遅いですね。

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ねこちゃーンw
見たよ!みたよ!!みぃたぁよぉおおお!!!(ウゼ、

おもしろかッたよb
不良さんわイイ囚なンだねッw
こんなご時世ああいう囚が必要なのy・・(ry

また頑張って更新してねw
それとリンクしちゃッたよォww

ソフさんどもー。
なんとかいい人に見えたようでよかった・・・。見るに耐えない小説にならないようにがんばります。お褒めの言葉ありがとうっ。

リンクばっちりb

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どうも変な場所に迷い込んでくださりありがとうございます。 小説サイトのつもりなので世の駄文を研究したい方や何か時間を使わないといけないけれど、何をすればいいかわからない方や暇な人はぜひお読みください。
ゆっくり読んでくれると嬉しいです。
あ、一応著作権は脳内願望人に帰ってくるってことで。え?盗む奴いない?
・・・ハハハ・・・。

そういえば、メッセンジャー始めました。メールは放置してますが、MSNのLiveなんとかでやってます。

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