脳内小説具現館

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 2000-06-02 Fri  00:00   [短編]

いやー、やばいです。
やばい・・・です。

「あのー・・・自分はどうなってしまうのですか?」
どうしましょうどうしましょうどうしましょー!?
倒れた状態で何をやればいいのか判りませんがまずは回りに何か無いかチェックです!

「んー、悪いけどお兄さん達の商売に手を貸してもらうよ。
なぁに。君にもお金あげるから、っさ」
「い、いえー、自分はお金は欲しいけど日々真っ当に働けば貧しくても生きていけるのでぇ・・・」
「へへへ、さっさとしろよ」
「すみまーせん」
「う」
太ったおじさんの声でチャラ兄さんが近寄ってきます。
回りはネズミ色の壁とピンクのカーペット。奥の部屋には壁までピンク色で塗られています。
家具等はほとんど無く、半分だけ見える奥の部屋にはカメラとかゴタゴタした物しかありません。たぶん・・・出口も・・・。

「それじゃ、そろそろ始めようか、君」
「あ、は、は、は。
自分は父さんに早く会いたいので失礼したいです。」
「だーめ」
地面に倒れこんだ自分に、徐々に距離を縮めるチャラ兄さん。まずいまずい、どうしよう。腕力じゃ勝てないし声も防音だって、逃げられな―――

「っあ!やめてください!!」
倒れた自分に圧し掛かり、左肩をチャラ兄さんの左手で押さえつけられました。心臓の音が体中に響く音量になってきました。

「ごめんね。やらなきゃ生き残れないからさ」
「そっそんな!マジメに働けば日本では生きていけますよ!」
「めんどくさいんだよね〜」
「な!?」
そんな・・・働くのが嫌だからこんなお仕事を選ぶなんて、最低だ・・・。自分や母さんは暇な時間が生まれない程働いているのに。
右手で自分の服をつかまれます。もう・・・ダメ。
ごめんね母さん、自分は父さんに会えなくなりました。自分が父さんに聞きたかったことも、聞けなく―――

「ッオリャ!」
原始的な掛け声と共に鉄製のドアが勢いよく開きました。

「なに!?」
「え・・・」
その場に居た人達がそれぞれ驚きます。すごい・・・鍵も一緒に壊れてる・・・。あれ?この金、金、金にリーゼント。
見覚えが・・・。

「邪魔するぞー」
「・・・お前は誰だ?」
「とある高校の善・良・な! 学生だ」
「あ、あなたは!」
そう。この人は町で会った不良さん。追いつかれていたのか・・・

「どうして不良さんがここに!?」
「だから不良って言うな!」
「おいそこの小僧」
不良さんとお話していると野太い声が奥から聞こえます。

「人の仕事邪魔してくれてどうする気だぁ? それとも手伝いたいのか?ったく、最近の小僧はませてやがる」
「はぁ?」
「あわわわ」
野太い声のオジサン・・・頭は薄い髪の毛に無理やり金色をちょっとだけつけた微妙な金。モコモコして豪華そうな茶色い服のまま、不良さんに近づいてきました。


「小遣いやるからさっさと帰りな小僧。それとも痛い目に―――」
一瞬でした。微金オジサンが不良さんの手が届く範囲になった瞬間。

「ふべばあぁア!?」
殴り飛ばされてしまいました。

「ッケ、俺様はそこまで堕ちてねぇよ」
「うわぁ・・・すごい」
飛ばされた姿はまるで肉の塊。巨大質量となって奥の部屋の撮影器具に衝突し、カメラも倒れました。

「・・・やるねぇ不良君」
「どいつもこいつも不良言うな!」
チャラ兄さんと不良さん。夢のキンパツ競演とでも言うように二人は自分を境に対峙しました。

「どうだい?ウチのボディーガードってことで入社ってのは。どうせ就職とかも考えてないだろう。俺もそうだったからね」
「就職なら間に合ってるよ。それより俺様はこういう事が嫌いなんだ。バカ正直な奴騙して自分の食い物にするってやり方がな」
「不良さん・・・」
自分の信条に反する様な言い方で不良さんチャラ兄さんに言います。この不良さんは良い不良さんだ。やっぱりは都会でも、見かけだけじゃなくて良い人はいるんですね。笑顔だけが良い人じゃないんだ。

「・・・不良君とは一生意見が合いそうにないね」
「不良言うな、合わせる気はねぇから安心しな」
チャラ兄さんは身構えて、不良さんは手を握り締めました。ダメ・・・悪い人でも殴っちゃうのは―――

「不良さんやめて!」
「!?」
「だから不良って・・・あぁ?」
「どれだけ悪い人だって殴られちゃったら痛いですっ、痛いのは自分も嫌いですし殴る人も痛いハズですよ!」
「痛い、痛いうるさい奴だな…、コイツはお前を売り物にしようとしたんだぞ?」
自分でも何を言ってるかわからなくなってくる。そのまま二人の視線が集まって息苦しいですが、自分は嫌です。殴られるのが判っていて、そしてそれを止められるなら極力止めたいんです。

「自分はとても嬉しかったです!見ず知らずの自分を助けてもらって…。けど。けど…」
自分の国語力の低さを呪います。次になんて言えばいいか言葉が思いつかないよ…。

「それは偽善だと思う?」
「え…」
自分が叫んでから固まっていたチャラ兄さんが予想外に。試す様な言葉を言い出します。

「普通我が身を売ろうとした奴をかばう人はいないよ。そんなんだから俺みたいな悪者に捕まるんだよ」
「てんめっ、いけしゃあしゃあと」
「ま、待って不良さんっ」
さっき喋っていた時。出会った時とも違う心の篭った声。自分に喋りかけると言うよりこの場にいない誰かに喋りかけている風にも聞こえます。

「それでも・・・、性格は変える気はないですっ」
「・・・今回だって不良君がこなきゃおしまいだったじゃないか。
これを機会にもう少し賢く、慎重に物事を見ればいい」
「偽善かどうかなんて馬鹿な自分には区別できません。でも嫌だと思ったから嫌って言うだけですよ」
「・・・!」
偽善。とてももっともな言葉かもしれないけど、自分は何故か殴ってほしくないって思うんですよ。
別に偽善でもいいかなって思えてもきます。

「オイ。もうお前はいいから、さっさとどっかいけ」
「不良さん!」
「不良じゃないって・・・」
わかってくれました!もうチャラ兄さんを殴る気はないようです!

「殴らなくていいのかい?」
だけどチャラ兄さんは自嘲混じりに聞きます。

「俺様は不良じゃないからな。ここでコイツの言葉を無視したらどっちが悪人かわからねぇ」
「助かるよ。しかし俺はこの部屋の修繕しなきゃいけなくてね。悪いが君達が出て行ってくれないか?」
「…あぁ?」
まずいっ。不良さんがキレ始めた!

「ふふふ不良さん!早くここからおさらばしましょう!」
「…わかったよ。最後に聞く。嘘を覚悟で聞いてやる。
ここが直ったらてめぇは同じ事をするのか?」
チャラ兄さんは少し悩んで。だけど笑って。

「…この職業から足を洗うよ。約束する。
身勝手かも知れないけど、信じて欲しいな」
さっきの怖いイメージは吹き飛び。目は真剣そのもの。
自分は・・・信じたいです。

「信じます!信じます!」
一度は最低だと感じた人。それでもチャラ兄さんの真っ直ぐな目を、自分は信じたいです。
甘いかな、母さん?

「ほれ、行くぞ!」
憤りを晴らすみたいに足音を立てて外に出て行く不良さん。

「あ、待ってくださーい!」









「あの子供がとても春に似てたんだ。叫んでる姿を見たら一番に君を思い出したよ」
誰も答えはしない。デブが一人気絶するだけの虚しい空間。床にだらしなく座り、自問自答をする。

「・・・なぁ春。俺はやっぱり間違っていたのかな。」
俺がこんなチンピラになった理由。どんな理由があろうと許される職業ではないのだが。

もし不良君が諭しても俺は関心なんかしなかっただろう。だけど春に似ているあの子供だから。春を思い出す事ができたあの子供の言葉だから。

また道を踏み外すかも知れない、すぐに挫折して戻ってしまうかもしれない。
だけど、一度やってみるのもいいと思った。







少し離れた場所。チキュウとはまた違う場所。
その中の焚き木でしか辺りを照らしていない森の中。

「なんだか暖かい話だね」
「そうですか?多分人生ってそんなに甘くないと思いますよ」
少し大きな切り株に二人で座りながら、やる気の無さそうに少女は言いました。

「・・・でもそんな話もあるかもしれませんね。人の人生なんて様々な出来事があるからおもしろいんですよ。」
「おもしろい、か。たしかにそうかもしれないね」
「それに本当に普通で幸せな人を本にしてもおもしろくないですから。
旅人さんだって旅をしているワケくらいあるんでしょう?」
焚き木がパチンっと音を経て、ほんの一瞬会話が止まる。

「・・・言わなきゃダメかな?」
「発言を強要する権利なんて私にはありません。ただ気になるだけ」
「君はいつも無関心そうに振舞うのに意外と好奇心旺盛みたいだね」
旅人は誤魔化す様に笑う。

「でないと本売りなんてしてません」
「たしかに・・・」
誤魔化しが通じない冷静な少女の眼に旅人少し考えます。

「それで・・・、教えてくれるんですか?」
緑の眼鏡越しに少女は尋ねる。

「・・・僕は人を殺すために旅をしている」
焚き木がさっきより大きく音を鳴らし、その場を凍りつかせました。

「それはどうして?」
表情を少しも変えずに少女は尋ねます。

「単純だよ。殺さなければならない個人的な理由があるから」
「大切な人でも殺されたの?」
「ちょっと違うかな。殺したんだ。」
少女は首を傾げ、旅人は唾を飲みました。

「・・・呪いさ」
「なんだかおもしろそうですね」
「たしかに。ちょっと愉快な人生かもね」
「ちなみに効力が?」
少しため息を吐き、自分の頭を小突いて言います。

「僕が幸せを感じると、頭がクラクラしてね」
「それで?」
「自我はあるんだけど、勝手に体は操られちゃうんだ」
「別にいいじゃないですか」
「それだけならいいかもね。けど」
「けど?」
「その時僕の中で一番大切な人を殺してしまうんだよ」
少女はちょっとだけ瞼を細めて質問を続けます。

「・・・誰かを殺したんですか?」
「うん。とても良い友達だった。親友って呼んでもいいかもしれない」
「感想は?」
「忘れられないかな・・・。親友がいきなり斬りつけられて驚く顔も鮮明に覚えてるし、肉を切り裂いた感触も手にこびりつく様に離れない」
この世の絶望を知ったかの如く顔の生気が抜けていき、冷たい様子になります。
突然切り株から立ち上がり、無我夢中で話始めました。

「発狂しそうになった。初めてコイツが居てよかった、って思えた瞬間に体が変になって。
ワケの判らないまま親友を襲う自分がいるんだ」
先刻までの優しい旅人の笑顔は消え去り、不幸を語る姿は鬼を連想させます。

「許せない許せない許せない許せない・・・!
呪いをかけたアイツが・・・。殺してや―――」
「落ち着いて下さい」
「っあ・・・」
我に返った旅人は少女から珍しい言葉を聞きます。

「全てを忘れて憎しみに溺れていた愚か者よ。悲観は自由だが我を失えば先にあるのはくだらぬ末路ぞ。
昔読んだ普通の本に書いてあった言葉です。あなたにぴったりかもしれませんね」
今まで最低限の発言しかしなかった少女は、眼鏡を外してちょっぴり多弁になりました。

「結構冷静そうなあなたが取り乱すのはそれだけの苦痛だったと思います。
けど先程のあなたは壊れた殺人鬼みたいな眼をしてましたよ。昔に一度だけ見た事あります」
「ごめん・・・。素敵な言葉だね。以後覚えておくよ。」
旅人はもう一度きり株に座り、反省します。
そして一拍ほど間を置き。無感動な口調で少女は言います。

「どうも。それより本を読みましょう」
「そういえば、どうして君は僕と一緒に本を見ているんだい?」
「売り物は読んじゃダメなんですよ。倉庫のは読み放題ですけど」
旅人の横に置いてある本に視線を送ります。

「・・・そうだね。今はこの本の続きを読もうか」
「お願いします」
旅人は本を持って先程のページを開き、少女は眼鏡を掛けなおしました。 なんとかここまで書けた・・・。

コメント

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お疲れ様ですー
以後話がどう進むのか楽しみですw

いつもどうもです。
がんばって書ききりますよb

小説は書き方で個性がでるから面白いね。

ガンバって続き書いてねんw

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小説つづきとか気になります!!
早く書いてー♪

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どうもルエさん。
こちらも続きを楽しみにしてます。テストが終わったら書きます・・・!

ソフさんこんばんは。
セッション切れによる小説紛失と戦いながらがんばって書きます!

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脳内願望人

脳内願望人

どうも変な場所に迷い込んでくださりありがとうございます。 小説サイトのつもりなので世の駄文を研究したい方や何か時間を使わないといけないけれど、何をすればいいかわからない方や暇な人はぜひお読みください。
ゆっくり読んでくれると嬉しいです。
あ、一応著作権は脳内願望人に帰ってくるってことで。え?盗む奴いない?
・・・ハハハ・・・。

そういえば、メッセンジャー始めました。メールは放置してますが、MSNのLiveなんとかでやってます。

nekomanma2226@yahoo.co.jp

よければー。





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