脳内小説具現館

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 2000-06-01 Thu  00:00   [短編]

耳が痛くなる騒音を堪え、人ゴミを掻き分けて駅から脱出。
なんで冬だと言うのに都会はこんなに人が多いかなぁ・・・。
横断歩道の信号を待ちながら白いため息をつく。
あ、紹介が遅れましたっ、自分はふかぁぁぁい事情のタメに東京にやってきた田舎者でございます。
え?深い事情が何かって?いやぁ〜、あはは、やっぱ言わなきゃダメですよねぇ・・・、よし!1から説明させて頂きます!
寝ないで聞いてくださいよ〜?

実は――――――――

























「母さん!」
自分の家事を終え母さんの居る部屋に入りました。
右手に見えるのは薄汚れた窓から見える自然。色が霞んできている畳。どれもこれも安っぽい家具。
ど田舎の称号が相応しい自分の故郷。比較的他よりもボロイこの家で自分は母さんと大事な話をしました。

「どうしたの、洗濯物と洗い物は済んだ?」
どこか疲れている声、それでも少しだけ優しい響きがします。

「もちろんだよ、それより母さん!」
我が家は貧乏なので家事は自分と母さんと分担してこなしていました。
自分の仕事を終わらせ、前から気になっていたこと。
ずっとずっと怖いけれど聞きたかったこと

「・・・父さんはどこにいるの?」
「―――ッ」
母さんは悪い事でも見つかったかのように、体をビクッと動かしました。
それでも自分はやめません、貧乏臭い畳に正座して内職している母さんに・・・改めて尋ねます。

「自分ももう16になりました。なのに生きている父さんの顔を一度も見た事がないんだよ?
知っているなら・・・教えて」
記憶を戻せるだけ戻しても父さんの姿も名前も出てこない、5歳の頃に生きているって真実だけを母さんから聞いた。
でもそれだけ。

「自分は自分の父の姿を、声を、性格を知りたい。
どんな結果になったって・・・後悔しないから」
ボロボロのエプロンを身に着け、目にクマのある母さんの顔を見据えました。

「―――最低な男よ。
私達を置いて都会に行った最低な奴・・・、母さんはあの男と婚姻を結んだ事を人生で一番の後悔だと思ってる」
「それでも自分は―――ぁ!?」
喋っている途中に自分の体が重くなります。なにかが自分の体を包めるだけ包んだから。

「でもね、母さんが人生で一番の喜びはアナタを産んだって事実なのよ・・・」
ひょろひょろの母さんの冷たい体温が伝わってきました、自分の肩に顔を埋めて、言葉を続けます。
自分はただ目を見開いていました。

「だから、ね。アナタがどうしても会いたいのなら私は止めない。
だけど、どんな真実が遭っても自分をしっかり保ってね」
母さんの抱きしめる力が強くなりました。

「わかってる・・・ちゃんと悩んだから・・・」
声が涙声になってました、それだけ母さんの声に意思がこもっていたから、自分の身を案じる優しさを感じたから・・・。
自分は母さんの髪を撫でるように抱きしめ返し。言いました

「ちょこっとだけ・・・出張に行ってくるねっ」
泣いちゃいそうだから最後に冗談混じりの言葉を言いました。

「気をつけてね・・・私の可愛い子供―――」
母さんの言葉はなんとか言えた・・・と表現するかの様に泣き出しました
家の隙間からくる冬風は寒くて、それでも母さんを離したくありませんでした。

















っと言う事情なのです・・・、母さんが自分がいつか父さんに会いたいって言い出すのを予想して、電車代を溜めていてくれました。
苦しい生活だったのに、そんな中から少しづつ溜めていてくれたのです。
だけど・・・。

「でも・・・場所がぜんぜんわからない・・・」
父さんの住所が書いてあるメモ用紙を持ち、短い髪を掻きながら路上で悩みます。

「で、でも人が多い場所に行けば誰か教えてくれるかもっ」
無計画な計画を発案し、時間をかけて都市の中心部・・・なんて分らないので騒がしい所に歩きます。

「にしてもすっごいなぁ。都会ってのはさ」
自分を何百人いれてもへっちゃらそうな、高いビル、視界の左右どちらを見ても必ず見える車。
祭りでもやってるのかと疑う程だ。

「だけど、うるさいなぁ・・・」
いろんな場所から聞こえる謎の宣伝CM、誰かわからない様々な人の声や足音で鼓膜がつぶれそうだ。
信号を渡って回りが建物ばかりの場所にたどり着いたはいいけど、誰に聞こう・・・。
全員が忙しなく動いているから、誰に声を掛けて良いか判断できない。迷惑もかけられないしなぁ・・・。

「って、弱音を吐いてられないな」
たくさんの人の中で一人をがむしゃらに選ぼうとするからいけないんだ。
目を閉じて暗闇の世界に自らを投げ込む。騒音も心を集中させるほど静かになっていき・・・、自分がいる場所は暗闇の世界。自分が今ピンチを打破するために必要なもの・・・
そう―――心眼だ!目をクワァっと開き、知らない人の手首を掴みました。

「すみません!」
根拠は無いけど、きっとこの人なら父さんの住所を教えてくれ―――

「あぁ?」
「ありゃ」
金、金、金、これが最近都会で流行りのキンパツだね母さん!母さんの話によると1世代くらい遅れたリーゼントって髪型をしている!
しかも怪しい黒服・・・いやガクランだ!
あれ、この人って不良さん?

「あんだテメェ?
いきなり俺様の制服つかんできやがってよ」
慣れてそうな怖〜い目つきで睨まれ、とりあいず何か喋ろうと思って。

「あ!不良さんすみません!」
「不良だぁ!?」
怒っちゃった。だって見た感じ・・・ねぇ?

「まぁそれはともかく、自分は父さんを探しているのですが見つからないんです!この住所が判れば父さんに会えるんですよ!」
「知るかぁ!いきなり人の手首掴んで、オマケに初対面の人間を不良呼ばわりしてくるお前をどうして助けなけりゃなんねぇんだよ!」
叫んでばっかで変に道徳ある不良さんだなぁ。

「ダメ・・・ですか?」
「たりめぇだ!交番行け!」
まずいです、この人相当怒ってる・・・、ここは兵法に従って。

「不良さん」
「あぁ!?不良って言うな!」
「さようなら!」
「はぁ!?」
日頃の朝刊配達で足腰を鍛えた甲斐あって不良さんと居た場所が遠ざかっていく。交番は・・・父さんが不用意に露見されるのは自分も困るんです。そういうの抜きでちゃんと話がしたいから。
ごみんね不良さん。

「はぁはぁ、撒けたね」
自分も結構体力あるなぁ、マラソン選手になったら母さんに楽させてあげられるかなぁ。

「っあ、そこの彼・・・いや彼女?いや君ー!」
「っへ」
またも髪が金ピカでスーツみたいな服を着たチャラチャラしたお兄さんに呼び止められた。
人が忙しい時に・・・といってもブラブラ歩いていただけだから問題ないのだけどね。でも男か女かの判別もできないなんて失礼だなぁ。
ちなみに自分の服は蒼いGパンに白い長袖の服です。

「どうしたのですか?」
「いやぁ、なんだか迷ってるみたいだから、もしよかったら力になろうかと、ってね」
グッドスマイルのお兄さん。

「ほんとですか!?」
「もちろんっ、君はとても困ってるように見えたからさ!」
「ぞゔな゙ん゙でずよ゙ぉぉぉぉ」
チャラチャラお兄さんに近づき、もはや半泣きの自分。
母さんっ、都会は冷たいって言うけど暖かい人もいたよ!

「大変だったんだね・・・、まぁここは人通りが多いから落ち着いた場所に行こうか」
「喜んでっ」
やったよやった、これでなんとか父さんに会えそうだ・・・。自然と口元が緩んでいたのを直してチャラ兄さんの後ろについて行く。
すぐ近くの会社と会社の間の大きい隙間に入ったので自分も続きました。

「すぐだからね」
「あ、はいっ」
慣れた足取りで人の少ない所へ進んでいくチャラ兄さん、もう人が2,3人くらいしか居ない場所まで着いた

「お話ならこの辺でも大丈夫ですけど?」
「この辺は少し道が狭いからね、通行人の邪魔になっちゃいけないから」
「っあ」
優しそうな笑顔で笑いかけるお兄さん。そうですよね、自身のことばかり考えていて違う人への配慮を忘れていました・・・、次からは気をつけないと。

「さて、着いたよ」
笑みを消さないお兄さんは周りがネズミ色ばっかりの、いわゆる路地裏に自分を連れてきました。
人影はどこにありませんし、耳から聞こえるのはお兄さんが汚れた茶色のドアをノックする乾いた音しか聞こえません。

「すみません、一人連れてきました」
「おう、さっさと入れな」
「わかりました」
ドアの向こうから少し低い男の人の声。あれ・・・、友達と一緒に人助けができるなんて珍しい人達だなぁ・・・。
自分は幸せ者だ―――

カツッ

「ありゃ?」
今後ろで足音がしたような、気のせいかなぁ?

「どうしたんだい?」
「っあ、いえなにもありません!」
「それじゃぁ部屋にはいろっか」
「はいっ」
お兄さんがいつの間にか自分の後ろに居ましたが、気にせず開いたドアに向かいます。
半分開いていたので開ける動作をいれずドアの向こうに半歩くらい踏み入れた時―――

「っへ?」
体の半分はまだ外なのですがドアの向こうは自分が今まで見た覚えがない・・・いやらしいポスターやピンク色のカメラとビデオカメラが見えました。

「あ、のお兄さん?」
「さっさと入れ!」
後ろから押され、全身が部屋の中に入ってしまいました。
―――あれ?お兄さんの声が突然怖くなった・・・?

「んぁ、そいつ男か?」
ほぼ玄関とワンルームしかない部屋の奥から太ったオジサンがでてきました、顔はヒゲだらけで、不気味なニヤケ顔です。
ちょっと―――怖い。

「すみません、見た感じわからなかったのですが、すぐわかるでしょう」
「だな、どっちにしてもこの顔なら売れるだろ」
「ですね、中性的な子供が好きな客も多いですし」
何を・・・喋っているのだろう。混乱しぱっなし自分にはよくわからないです。

「よし、カメラの準備しとくから脱がしとけ」
「はい」
え・・・、今脱がす・・・って?

「どういう意味でしょうか・・・?」
怖い恐ろしい逃げたい、そんな直感が頭に響きますが服の裾を掴みながら精一杯声を絞り出します。きっと―――自分の聞き違いだ。
しかしチャラ兄さんは額にシワを寄せて、ヤクザさんみたいな顔つきで言いました。

「悪いな君、知らない土地でホイホイ人の話を信じるものじゃないよ」
よく理解が遅いって人に言われる自分ですが理解しました。
この人は危ない、そして―――ここに居ちゃ危ないって・・・!

「いやだっ!」
体を180度回転。まだ閉まってないドアに全力疾走します。

「無駄だって」
しかしため息混じりに右肩を軽く押し返されて元の場所より2,3歩部屋の深部に入らされました。

「おい、とりあいずドア閉めとけよっ」
「はいはーい」
「ぁ・・・」
兄さんは体勢を崩している自分を一瞥し、素早くドアに手をかけました。
そのまま・・・キキキって鉄の音が部屋の中に反響し、自分の最後の希望であるドアが―――閉められました。

「嘘・・・だ・・・」
やっと自分がどれだけ危険かを肌で感じました。機械をいじくる鉄の音と自分の心臓の音だけが頭に伝わります。

「叫んでも無駄だよ、ボロイけどここ防音だから」
「うし、準備できたぞぉ」
「今連れていきまーす」
冷や汗がにじみ出る自分。そして脳裏に響いたのは

―――自分、ピンチです。

最近更新が皆無なので半分だけ載せました・・・汗
続きはまた載せますー!!

コメント

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ハイパークォリティだなんw

気になる

どうもご訪問ありがとうございますっ
お褒めの言葉いたく感激です・・・!(笑)
続きは気合入れて書きまーす!

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久しぶりに来ちゃいました!
テーマがすき!お父さんに会いに行く!それから絶妙なテンポと不思議な雰囲気で、面白いと想っていたら、あらら!!!?かなりヤバめなピンチじゃないですか!いきなり!
続き、待ってます!
(っていうか、こういうのあるの?都会って怖い…><;)

どうもらんららさん!
自分などにはもったいないお褒めのお言葉嬉しいです。 和み続きは好きなのですが自分には力足りず・・・汗
そんなわけでピンチになってもらいました(笑)
自分も昔痴漢に遭ったりしましたからね・・・、危険は日常に潜んでいる物ですよ汗

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脳内願望人

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どうも変な場所に迷い込んでくださりありがとうございます。 小説サイトのつもりなので世の駄文を研究したい方や何か時間を使わないといけないけれど、何をすればいいかわからない方や暇な人はぜひお読みください。
ゆっくり読んでくれると嬉しいです。
あ、一応著作権は脳内願望人に帰ってくるってことで。え?盗む奴いない?
・・・ハハハ・・・。

そういえば、メッセンジャー始めました。メールは放置してますが、MSNのLiveなんとかでやってます。

nekomanma2226@yahoo.co.jp

よければー。





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