脳内小説具現館

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 2000-03-01 Wed  00:00   [短編]

俺の目の前に白い物が落ちていく
ここは高いところ
町を一望できる高いところ
灰色と白の町
町からは音楽が聞こえ、幸せの匂いがする
空は曇天
白い物が数え切れない程落ちていく


白い物は雪
ここはビルの上

そして俺は探している




―――人の不幸を―――































子供の頃、俺は新聞記者が凄くかっこいいと思った
自分の目で見た物を記事にして、皆に真実を伝えるのである

かっこいいと思わないか?

自分が見た物を文字と写真にして日本中の人々に伝える
そして人々は真実を知る事ができる

そうして自分も真っ先に真実を知る栄誉がある

自分の足で走り、目で見て、記事を書く


これほど充実した仕事があるだろうか


かっこいいと思っていた


とても・・・・とても・・・・












俺は子供の頃の夢を捨てきれず、新聞記者になった
頭はなんとかセーフで特に苦もなく新聞記者になる事ができた

そう、憧れの新聞記者に




現場は忙しそうだった
パソコンに凄いスピードで文字を打ち込み、皆が走り回っている
五月蝿いくらいに騒がしい仕事場

かなりワクワクした、自分もこれから皆に真実を伝えるんだ
嘘偽りのない、本当の真実を

皆に―――真実を―――









しかし現実は厳しかった



事件が起こればハイエナのように現場に向かい取材する
相手が嫌がろうが張り込み、情報を入手して記事にする
誰かの不幸を自分の得にするのだ
場合によっては真実よりも大げさに書いたりもする
不幸を心待ちにして常に鼻を利かせ、事件を待つ・・・
獲物を逃がさぬように・・・・




こんな・・・はずじゃなかった・・・















今日はクリスマス
俺の周りはコンクリートのねずみ色で、たまにダンボールがあるだけの殺風景な寂れた所
俺が見下ろす町からは商店街のど真ん中にビッククリスマスツリーが輝き、今頃は家に帰り、家族でケーキやら食べているだろう
町中が幸せに包まれている

―――こんな日は事件が起こりやすい
自分の飯を稼ぐため、こういう日に浮かれるワケにはいかない

自分の息が白くなって目の前を通り過ぎる
茶色のコートで寒さを遮断、手は同じく茶色の手袋でカバー
俺は寒さには強いのでマフラーは必要ない
首に巻いたカメラと共に何時間も張り込み、獲物を待つ




・・・最近頭がなんだか麻痺したみたいだ、思考が重くなって何も考えたくない
体が重い


そうしていたらぬっと背後から長い影が出てきた、曇り空なので解かりにくく、薄い影だ
その長い影に上から声をかけられる

「リーダー」
「リーダーはやめろ」
「何かあったか」
「無視か・・・なにもない」
「そうか」
「ああ」
「・・・」


簡単な会話が終わる
相変わらず無口な奴だ
この長身男は俺の相方、ウチの会社は二人一組が鉄則なので常にこいつと行動を共にしている
名前は古川無二(ふるかわ、むに)
性格は名前の通りTHE無口。髪で眼を隠してるから感情もわかりにくい。
俺と全く同じ張り込み服装(マフラーつき)&カメラでコンビニから買い物が終わったようだ


「うまい・・・」
「あ!?」

こいつ!俺が頼んだコーヒーとサンドイッチ(卵)を!!!

「お前!何している!!」
「食事」
「俺のは!?」

自分の腹をぽんぽんっと叩きながら

「・・・腹の中」
「はぁ!?」











もう昼だぞこらぁ!っと叫ぶ腹を押さえ、町の北と東を覗いていたら

「・・・」
いきなり俺の肩をつついてきた
「ん〜?」
自分の双眼鏡を俺に渡して

「あれ」

無二は西の方角の民家を指差した

俺は受け取った双眼鏡で指の方向を見た


「な・・・!?」
目を疑った、しかし見間違いではない
「写真は撮った、どうする?」

俺が見た物は民家に忍び込む人、灯りや家の周りの子供用お遊びカーやブランコを見る限り普通の家だ
カーテンからは三人の人影も見える
そんな普通の民家に忍び込んだのは・・・

「大野隆正(おおのたかまさ)」

無二が言い出した

そう、奴の名前は大野隆正、現在逃亡中の指名手配犯だ
賞金は600万、現代日本で賞金ってのもアレだがそれだけの犯行をしている

奴の大きな特徴としては犯行の幅広さである
最初の事件は政治家の家を次々に焼き討ちした、犯行の手際の良さに当初は奴が犯人とすらわからなかったのが現状だった。後の事件とのパズルの組み合わせでやっと奴が焼き討ちの犯人だと判明したのだそうだ

そして次の奴の行動は万引き、町中のコンビニからスーパー等から大量の日持ちする食料を万引きしている

その次には警察本部焼き討ち、これには当時驚かされた、6箇所から時間差で次々に火の手が上がり緊急火消し装置も全て故障させられていたらしい

国へのテロかと審査されていたら次は普通の民家への押し入り強盗
そして宝石強盗
その他大量に、数々と



あの男は何をするかわからない、危険な男である
怖いのがあの男の関った事件の大半が死人が出ている事だ
焼き討ちは目標が単数ならそいつが逃げられないように火を操り
強盗なら必ず一人死んでいる


そんな男が民家に侵入した

まずい






「リーダー」
「っあ」

大野隆正に関するデーターを引き出していたら集中しすぎた

「どうする?」
「それは・・・」

俺達新聞記者は事件に関るが当事者にはならない、アクマで自分の身は危険にさらさない
このまま警察に通報すれば・・・

いやだめだ

奴の逃げ口はえげつない
警察の動きを把握し、人質を最大限利用するのだ
人質を生きているか死んでいるかわからない状況にしてかく乱して逃げる
今通報すればあの民家の人は・・・




自分で侵入する?



遠慮しておこう、俺は別に百戦錬磨の武術家でもないし賞金稼ぎでもない
このまま無二が撮った写真をいじくって記事にすればとりあいず今月はクビにはならないだろう


俺は歩き出した
「いくぞ」
「・・・どこへ?」
「帰る」
「リーダーいいのか?」
「・・・あぁ」
「わかった」

俺が行ったって変わらない
奴は人質を使って逃げるだろう

そうさ・・・・変わらない





俺は階段を降りていった

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脳内願望人

脳内願望人

どうも変な場所に迷い込んでくださりありがとうございます。 小説サイトのつもりなので世の駄文を研究したい方や何か時間を使わないといけないけれど、何をすればいいかわからない方や暇な人はぜひお読みください。
ゆっくり読んでくれると嬉しいです。
あ、一応著作権は脳内願望人に帰ってくるってことで。え?盗む奴いない?
・・・ハハハ・・・。

そういえば、メッセンジャー始めました。メールは放置してますが、MSNのLiveなんとかでやってます。

nekomanma2226@yahoo.co.jp

よければー。





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