1980-01-04 Fri 00:00
[私事]
人生は後悔の連続であり
懺悔は自己満足と現実逃避の産物
振り返れば後悔する前の楽しげな自分が眼に映り、手に届かない過去が堪らなく愛おしい
人間は失わなければわからない生き物だ。頭でわかっていても、これだけは直面しなければ本当の痛みがわからないのだと、やっと理解する
その結果懺悔は生まれ、後悔を嘆く
そうすれば失った 何か が戻ってくるんじゃないかという非現実的な願いを込めて
けれど何も起こらない
結果、人は懺悔し続ける
永遠に
自分にできるのは今できる行動を足りない頭で考えることと、自分の文字を読んでくれたアナタに警告すること
決して今の生活を適当に扱わないでください
今よりも苦しくなった時、思い出すのは今の日常です
楽しかった日常です
失ってからでは遅い・・・なんてよくある言葉が真実なんだと思います
今を大切にしてください
この言葉が自分の文字を読んでくれたアナタへのお礼です
頭の隅に置いて、思い出したときに 今 を噛み締めてくれると、嬉しいです
懺悔は自己満足と現実逃避の産物
振り返れば後悔する前の楽しげな自分が眼に映り、手に届かない過去が堪らなく愛おしい
人間は失わなければわからない生き物だ。頭でわかっていても、これだけは直面しなければ本当の痛みがわからないのだと、やっと理解する
その結果懺悔は生まれ、後悔を嘆く
そうすれば失った 何か が戻ってくるんじゃないかという非現実的な願いを込めて
けれど何も起こらない
結果、人は懺悔し続ける
永遠に
自分にできるのは今できる行動を足りない頭で考えることと、自分の文字を読んでくれたアナタに警告すること
決して今の生活を適当に扱わないでください
今よりも苦しくなった時、思い出すのは今の日常です
楽しかった日常です
失ってからでは遅い・・・なんてよくある言葉が真実なんだと思います
今を大切にしてください
この言葉が自分の文字を読んでくれたアナタへのお礼です
頭の隅に置いて、思い出したときに 今 を噛み締めてくれると、嬉しいです
1980-01-02 Wed 00:00
[私事]
ある日、学校からの帰り道。今日はどうやって時間を潰そうか迷っていた。
勉強は嫌だなぁ ゲームはなんか乗り気じゃないなぁ 小説書こうかなぁ、でも部屋が暑いなぁ
毎日考え、繰り返す、暇な時間の潰し方。
電車に乗り、風景が流れていく描写を見ながらボーっとしてみた。
自分は人生無駄にしているな。
部活動は週に一回。恋もせず、他はてきとーに授業をうけて眠って馬鹿話して、学校の帰りに友人と帰って、後はだらだら過ごす。
運動部の友達は時間が無さすぎるのに対し、この低落はなんだろうか。
バイトをするわけでもなく、不規則に堕落した生活。大人になった時、後悔してしまうかもしれない。
救いようがないのは、何度考えても行動に移さない怠け者の自分。
変化を恐れているのだろう。
まぁいいか。今日はマガジンとサンデーの立ち読みにでも行こうか。
そうして3階にある我が家へと階段を登る。
しかし、いつもの玄関先とは少し違うかった。
「あ」
「あ、こんにちは」
妹の友達が、家の前にいた。遊びにでも行くのだろうか。
「○○待ってるのかな?」
「はい」
最近の子は行儀が良い。状況がすぐに理解できる。
「ちょっと待ってて」
ニコリと同年代には見せない笑みを見せ、我が家に入る。
「○○ー、友達待ってたよー」
家の奥に居るであろう妹に、靴を脱ぎながら話しかける。
しかし部屋が臭いのに気がついた。なんだろうか。
風呂場を通過し、キッチンへと到着した時には見慣れぬ姿。
「・・・どうしたん?」
妹が立ちながら泣いている。顔が真っ赤で、鞄は放置されて転がり、部屋は暗い。
「・・・」
黙っている。しかし放置して置くわけにはいかない。
「さっきの男の子と何かあったん?」
「・・・風呂場で猫、死んでた・・・」
「え・・・」
言葉の意味はすぐに理解した。同時に、すべきことも。
「・・・ちょっと待って」
さっき通った道を逆戻り、風呂場を通り越して玄関から外に出る。
「あ、今日は○○無理になってん」
「あぁ・・・そうですかー」
「ごめんねー」
「それじゃあ帰ります」
「うん。またねー」
手を振って見送るのと同時に、眼に触れる。
大丈夫。まだ濡れてない。
「・・・」
軽い扉を閉め、サンダルを脱ぎ捨てて風呂場に向かう。
「・・・ッ」
「私が帰って着た時には・・・もう死んでて・・・」
死んだ意味は理解した。
しかし現実は、理解できない。したくない。
風呂場への入り口の隙間に、肉の塊。大事な、肉の塊があった。
体は伸びきり、眼は半分だけ開き、腕は何か臭い液体で濡れている。
13年間一緒に居た。大事な猫の死体がそこにあった。
「○○、家に錯乱した小便に匂い消しかけて、ティッシュ置いといて」
「あ、うん」
妹を風呂場から追い出し、肉と二人きりになる。
「××・・・。死んじゃったんな・・・」
猫は弱っていた。よく肥えた体が痩せ細り、一日中眠り、走り回ることもしなくなっていた。
母を中心に看護し、毎日ミルクやブドウ糖、薬も飲ませていた。
今朝も、籠で寝ている猫に自分でブドウ糖を飲ませた。
素直に飲んでくれて、今日はまだ元気だって、思ってた。
思ってた。
「突然来るモノだから、死って怖いんだ。理解できたよ」
一度入り口を思い切り殴った。手は痛いハズだが、何も感じなかった。
死ぬ前に抱きしめて、頭を撫でて・・・そんなこともできない。
未練が残るのだ。いつ死んでもおかしく無いと思いつつ、今日は死なないなんて、無意識下の曖昧な考えがあったのだ。
そっと頭を撫でてみる。
「堅いな・・・」
耳を触って気づく、前まで軟らかかったのは、生きていたからだと。
上半身を撫でる。
冷たい。
ここじゃ寒いだろうと、神経がもう通っていない、ただの肉を、風呂場の中にある足場に移動させた。
堅くて重くて、持ち上げても手足は振動以外で全く動かなくて、死んでいるのを再認識させられる。
慎重に置いて、目の前に座った。
死ぬと言うことは、もっと綺麗なものだと思っていた。
実際は、臭くて、死体も汚れてしまっていて、なにより、苦しい。
何も宿さない眼を見た。どこを見ているかもわからず、人間の死体と同じように眼を閉じさせようとしたが、完全に固まってか、病気特有の症状か、眼は結局開いたままだった。
その後は、しばらく何もせずに肉の前に座り、タオルで濡れていた部分を拭いて、肉を包んだ。
何度か猫が喋りかけている妄想にとりつかれそうになったが、それは絶対に違う。
死んだ者が喋っているように思うのは、その人の中の思い出が、都合の良いよう囁きかけているだけだ。
だって、猫は喋らないのだから。
悲しみが生んだ幻覚なのだから。
止まることを知らない涙を拭かず、風呂場から立ち去った。
その後の一日は早かった。
いつもより早く母が帰ってきて。
初めて母の泣き顔を見た。気の強い人なのに、その時の表情が弱々しかったのを覚えている。
一日中、家は生前の猫のことを話していた。
死を悔やむこと、今週末には大病院に連れて行こうとしていたこと。元気が出すぎる山羊乳ミルクを買っていたこと。
さらには、同じケースで成功例のある蘇生法をずっと繰り返す。
しかし自分は、どの行動もとらずにボーっとしていた。
死んでしまえば、それはただの肉だ。もうそこに、××はいない。
もし魂があるのならば、亡骸に縋る行為は、この世に留まらせると聞く。そんなことは嫌だ。死んだ時くらいは、ゆっくりさせてやりたい。
死体を見てすぐに涙が出るが、それは悲しみの対象と同じ姿をしているから。生者と肉の区別が、一瞬つかないから。
大事なのは・・・死んだ事実を受け入れること。
思い出を大事にする行為は、自己満足だと思うから。
死後の世界があるなら、そこに行くまで足枷になりたくから。
それでも、簡単に涙が出るのは何故だろう・・・。
朝、身支度を整える。髪は気分が乗らないので手を加えないでおいた。
鞄に物を容れて、いつでも出れるようにする。
布団には、肉がある。
今日の昼、死体を適切な所に渡すから、最後の日くらいはいつもの場所で寝かせてやろうとの配慮。
出発まで5分間。短いけれど、必要な時間。
「××・・・」
自分は肉を撫でて、抱きしめた。
「また・・・」
気づけば予定の時間を越えていた。走らなければならなかった。
この世に輪廻転生と言う言葉がある。科学的根拠は何もないが、信じてしまう。
死者に再開の言葉で別れるのは、生きている間に××の生まれ変わりに出会いたいから。
この日の6時間目、運動会の配置決めがあった。
1つだけ出場したくないモノもあり、慎重に話を聞いていた。
「△△。800M出てくれない?」
「いいよー」
一人2科目出れば他のモノには出なくていい。大縄跳びにも参加しているので、これで出場したくないモノには出場しなくていい。
アレだけは絶対嫌だ。
800Mは一人200M、校庭一週分のリレーだ。自分は足が遅いので、数合わせだろう。クラスの早い人は違うモノに出ているから、本腰は入れていない。他の参加者は自分より早いが、標準前後。
他クラスは陸上部も出ているので、勝利は遠い。
けれど。
「そいじゃ、よろしくー」
自分はその日、陸上部に入部した。
激しく驚かれ、グラウンドの運動部、クラスメイトは揃ってビックリしている。
そう、数合わせで決まった200Mのためだ。
自分は足が遅い、が、だからってそのまま当日を迎え、ビリになるなりするのは嫌だ。
やれることをやって、それで負けたい。
グラウンドに不似合いな、プールで目立つ白い肌に汗をつける。
実際は体育祭までの仮入部だが、友人が早く走る方法を熱心に教えてくれる。
運動不足の文科系クラブには練習は大変であった。木曜日に加入し、金曜日は週1のクラブで休むことを伝えたのだが。これは計算だった。
一回の練習で張り切りすぎで、筋肉痛が三日間とれなかったのだ。
月曜日の休みが体育祭まで続くので、筋肉痛と闘いながらでもギリギリ走りきれそうだと踏んだのだが。
実際はきつい。
火曜日に筋肉痛になれば、その後水、木は地獄であろう。
文科系が運動部をする際には筋肉痛と体力が最大の敵だ。
体力が無ければついていけないし、筋肉痛があれば練習がマトモにできない。
体力は適度に走ることをしていたのでセーフだが、筋肉痛がまずい。自転車で全速疾走し続けて疲れる筋肉が、とても疲弊している。
筋肉痛一日目は座るだけで激痛。
予想はついていたが、それでも行動できたのは、猫のおかげだろう。
このまま何もせずに、毎日を過ごすのは何かダメだと感じた。
大事な猫が死んだのだ。自分のプラスに移行する力にしよう。
自己満足だが、××の死は無駄にしたくない。
昨日の昼までの自分は、グラウンドで汗を掻いてるとは微塵も思わなかっただろう。
けれど、砂を被り、汗で体操服を湿らせ、息を途切れさせた時に見た夕焼けがとても美しかった。
この学校は夕焼けがよく見えるんだ。5時頃に帰っていた自分には発見だった。
本当に、綺麗で。この選択肢は間違っていないと少し信じることができた。
体育祭が終われば、週1のクラブの日数を増やそう。自分は部長なので可能だろう。新入部員が、男女共に増えた。専門学校の文化祭や、関係のある記念館にも行くことを提案してみよう。そして、陸上部も候補に入れて、どこか違うクラブにも入ってみよう・・・。
忙しいな。だらける時間がないな。
でもまぁ。
充実してるよ、××・・・。
勉強は嫌だなぁ ゲームはなんか乗り気じゃないなぁ 小説書こうかなぁ、でも部屋が暑いなぁ
毎日考え、繰り返す、暇な時間の潰し方。
電車に乗り、風景が流れていく描写を見ながらボーっとしてみた。
自分は人生無駄にしているな。
部活動は週に一回。恋もせず、他はてきとーに授業をうけて眠って馬鹿話して、学校の帰りに友人と帰って、後はだらだら過ごす。
運動部の友達は時間が無さすぎるのに対し、この低落はなんだろうか。
バイトをするわけでもなく、不規則に堕落した生活。大人になった時、後悔してしまうかもしれない。
救いようがないのは、何度考えても行動に移さない怠け者の自分。
変化を恐れているのだろう。
まぁいいか。今日はマガジンとサンデーの立ち読みにでも行こうか。
そうして3階にある我が家へと階段を登る。
しかし、いつもの玄関先とは少し違うかった。
「あ」
「あ、こんにちは」
妹の友達が、家の前にいた。遊びにでも行くのだろうか。
「○○待ってるのかな?」
「はい」
最近の子は行儀が良い。状況がすぐに理解できる。
「ちょっと待ってて」
ニコリと同年代には見せない笑みを見せ、我が家に入る。
「○○ー、友達待ってたよー」
家の奥に居るであろう妹に、靴を脱ぎながら話しかける。
しかし部屋が臭いのに気がついた。なんだろうか。
風呂場を通過し、キッチンへと到着した時には見慣れぬ姿。
「・・・どうしたん?」
妹が立ちながら泣いている。顔が真っ赤で、鞄は放置されて転がり、部屋は暗い。
「・・・」
黙っている。しかし放置して置くわけにはいかない。
「さっきの男の子と何かあったん?」
「・・・風呂場で猫、死んでた・・・」
「え・・・」
言葉の意味はすぐに理解した。同時に、すべきことも。
「・・・ちょっと待って」
さっき通った道を逆戻り、風呂場を通り越して玄関から外に出る。
「あ、今日は○○無理になってん」
「あぁ・・・そうですかー」
「ごめんねー」
「それじゃあ帰ります」
「うん。またねー」
手を振って見送るのと同時に、眼に触れる。
大丈夫。まだ濡れてない。
「・・・」
軽い扉を閉め、サンダルを脱ぎ捨てて風呂場に向かう。
「・・・ッ」
「私が帰って着た時には・・・もう死んでて・・・」
死んだ意味は理解した。
しかし現実は、理解できない。したくない。
風呂場への入り口の隙間に、肉の塊。大事な、肉の塊があった。
体は伸びきり、眼は半分だけ開き、腕は何か臭い液体で濡れている。
13年間一緒に居た。大事な猫の死体がそこにあった。
「○○、家に錯乱した小便に匂い消しかけて、ティッシュ置いといて」
「あ、うん」
妹を風呂場から追い出し、肉と二人きりになる。
「××・・・。死んじゃったんな・・・」
猫は弱っていた。よく肥えた体が痩せ細り、一日中眠り、走り回ることもしなくなっていた。
母を中心に看護し、毎日ミルクやブドウ糖、薬も飲ませていた。
今朝も、籠で寝ている猫に自分でブドウ糖を飲ませた。
素直に飲んでくれて、今日はまだ元気だって、思ってた。
思ってた。
「突然来るモノだから、死って怖いんだ。理解できたよ」
一度入り口を思い切り殴った。手は痛いハズだが、何も感じなかった。
死ぬ前に抱きしめて、頭を撫でて・・・そんなこともできない。
未練が残るのだ。いつ死んでもおかしく無いと思いつつ、今日は死なないなんて、無意識下の曖昧な考えがあったのだ。
そっと頭を撫でてみる。
「堅いな・・・」
耳を触って気づく、前まで軟らかかったのは、生きていたからだと。
上半身を撫でる。
冷たい。
ここじゃ寒いだろうと、神経がもう通っていない、ただの肉を、風呂場の中にある足場に移動させた。
堅くて重くて、持ち上げても手足は振動以外で全く動かなくて、死んでいるのを再認識させられる。
慎重に置いて、目の前に座った。
死ぬと言うことは、もっと綺麗なものだと思っていた。
実際は、臭くて、死体も汚れてしまっていて、なにより、苦しい。
何も宿さない眼を見た。どこを見ているかもわからず、人間の死体と同じように眼を閉じさせようとしたが、完全に固まってか、病気特有の症状か、眼は結局開いたままだった。
その後は、しばらく何もせずに肉の前に座り、タオルで濡れていた部分を拭いて、肉を包んだ。
何度か猫が喋りかけている妄想にとりつかれそうになったが、それは絶対に違う。
死んだ者が喋っているように思うのは、その人の中の思い出が、都合の良いよう囁きかけているだけだ。
だって、猫は喋らないのだから。
悲しみが生んだ幻覚なのだから。
止まることを知らない涙を拭かず、風呂場から立ち去った。
その後の一日は早かった。
いつもより早く母が帰ってきて。
初めて母の泣き顔を見た。気の強い人なのに、その時の表情が弱々しかったのを覚えている。
一日中、家は生前の猫のことを話していた。
死を悔やむこと、今週末には大病院に連れて行こうとしていたこと。元気が出すぎる山羊乳ミルクを買っていたこと。
さらには、同じケースで成功例のある蘇生法をずっと繰り返す。
しかし自分は、どの行動もとらずにボーっとしていた。
死んでしまえば、それはただの肉だ。もうそこに、××はいない。
もし魂があるのならば、亡骸に縋る行為は、この世に留まらせると聞く。そんなことは嫌だ。死んだ時くらいは、ゆっくりさせてやりたい。
死体を見てすぐに涙が出るが、それは悲しみの対象と同じ姿をしているから。生者と肉の区別が、一瞬つかないから。
大事なのは・・・死んだ事実を受け入れること。
思い出を大事にする行為は、自己満足だと思うから。
死後の世界があるなら、そこに行くまで足枷になりたくから。
それでも、簡単に涙が出るのは何故だろう・・・。
朝、身支度を整える。髪は気分が乗らないので手を加えないでおいた。
鞄に物を容れて、いつでも出れるようにする。
布団には、肉がある。
今日の昼、死体を適切な所に渡すから、最後の日くらいはいつもの場所で寝かせてやろうとの配慮。
出発まで5分間。短いけれど、必要な時間。
「××・・・」
自分は肉を撫でて、抱きしめた。
「また・・・」
気づけば予定の時間を越えていた。走らなければならなかった。
この世に輪廻転生と言う言葉がある。科学的根拠は何もないが、信じてしまう。
死者に再開の言葉で別れるのは、生きている間に××の生まれ変わりに出会いたいから。
この日の6時間目、運動会の配置決めがあった。
1つだけ出場したくないモノもあり、慎重に話を聞いていた。
「△△。800M出てくれない?」
「いいよー」
一人2科目出れば他のモノには出なくていい。大縄跳びにも参加しているので、これで出場したくないモノには出場しなくていい。
アレだけは絶対嫌だ。
800Mは一人200M、校庭一週分のリレーだ。自分は足が遅いので、数合わせだろう。クラスの早い人は違うモノに出ているから、本腰は入れていない。他の参加者は自分より早いが、標準前後。
他クラスは陸上部も出ているので、勝利は遠い。
けれど。
「そいじゃ、よろしくー」
自分はその日、陸上部に入部した。
激しく驚かれ、グラウンドの運動部、クラスメイトは揃ってビックリしている。
そう、数合わせで決まった200Mのためだ。
自分は足が遅い、が、だからってそのまま当日を迎え、ビリになるなりするのは嫌だ。
やれることをやって、それで負けたい。
グラウンドに不似合いな、プールで目立つ白い肌に汗をつける。
実際は体育祭までの仮入部だが、友人が早く走る方法を熱心に教えてくれる。
運動不足の文科系クラブには練習は大変であった。木曜日に加入し、金曜日は週1のクラブで休むことを伝えたのだが。これは計算だった。
一回の練習で張り切りすぎで、筋肉痛が三日間とれなかったのだ。
月曜日の休みが体育祭まで続くので、筋肉痛と闘いながらでもギリギリ走りきれそうだと踏んだのだが。
実際はきつい。
火曜日に筋肉痛になれば、その後水、木は地獄であろう。
文科系が運動部をする際には筋肉痛と体力が最大の敵だ。
体力が無ければついていけないし、筋肉痛があれば練習がマトモにできない。
体力は適度に走ることをしていたのでセーフだが、筋肉痛がまずい。自転車で全速疾走し続けて疲れる筋肉が、とても疲弊している。
筋肉痛一日目は座るだけで激痛。
予想はついていたが、それでも行動できたのは、猫のおかげだろう。
このまま何もせずに、毎日を過ごすのは何かダメだと感じた。
大事な猫が死んだのだ。自分のプラスに移行する力にしよう。
自己満足だが、××の死は無駄にしたくない。
昨日の昼までの自分は、グラウンドで汗を掻いてるとは微塵も思わなかっただろう。
けれど、砂を被り、汗で体操服を湿らせ、息を途切れさせた時に見た夕焼けがとても美しかった。
この学校は夕焼けがよく見えるんだ。5時頃に帰っていた自分には発見だった。
本当に、綺麗で。この選択肢は間違っていないと少し信じることができた。
体育祭が終われば、週1のクラブの日数を増やそう。自分は部長なので可能だろう。新入部員が、男女共に増えた。専門学校の文化祭や、関係のある記念館にも行くことを提案してみよう。そして、陸上部も候補に入れて、どこか違うクラブにも入ってみよう・・・。
忙しいな。だらける時間がないな。
でもまぁ。
充実してるよ、××・・・。


